春日部福音自由教会へ ようこそ

2010年3月1日更新 春日部福音自由教会

ホームページ

4つの会堂のご案内
牧師紹介
四季の歩み 春・夏・秋・冬
めぐみ幼児園
ELC英会話クラス
リトルシープクラブ
中高生会
ボーイスカウト春日部10団

Home
About us
4会堂案内
牧師紹介
四季の歩み
めぐみ幼児園
ELC英会話
LSC
JYLC

ボーイスカウト

【お知らせと報告

【「晨光」のページ】

★めぐみ幼児園のブログ


晨光                                 

春日部福音自由教会
2007年2月4日週報より

「問題」と「運命」と「摂理」 

牧師 小野信一

 
 


 今年も受難劇の季節がやって来た。
 平田オリザ著の『演劇入門』を読んだ。
 すぐれた演劇では、いつも「冒頭で、内部の登場人物たちが抱える問題が、自然なかたちで提起されている。」そうである。
 「問題」とは、「運命」と言ってもよいと平田氏は言う。「演劇の基本的な枠組みとは、個人が、個人の力ではどうにもならない状況と向かい合うという構造」であるとし、その状況とは、国家や戦争、差別や封建制などであり、身分の差や解雇されてしまったという状態であったりする。たとえば、敵同士の家に生まれたロミオとジュリエットが"出会ってしまった"という問題、あるいは四十七士が否応なく"浪人状態に置かれてしまった"という問題である。
 そして「演劇というドラマの本質とは、その運命に対して、右往左往し、人間として変化を遂げてゆくことである。」と述べている。

 演劇に対する以上のような見方に基づいて、受難劇を眺めてみる。
 たとえばペテロの場合、イエスと出会ってしまった。「ついて来い。」と言われてしまった。そういう出会いあるいは事件にぶつかる。「オレのこれからの人生どうなるのか?」という戸惑いの中に投げ出される。舟を捨てて、不安定な生活になってしまった。妻の反対も、もしかしたらあったかも知れない(想像)。
 「オレの一生をこの方にお任せしてしまっていいのか?」という問いにぶち当たる。そういった登場人物の身に起こった「問題」あるいは「運命」を、冒頭で提示し、それに沿って物語が進み、終幕(十字架と復活)へと至る。受難劇の流れはこういうことなんだな、と改めて捉え直すことができた。
 もう一人マリヤの場合、2006脚本の設定では、娼婦という職業。いやでもそれをしなければ生きていかれないという問題がある。さらに、その現場を捕まり公衆の面前に晒される、という問題が起こる。しかも相手の男の姿はなく、彼女は謀略に巻き込まれる(解釈)。その「問題」は彼女の「運命」と呼ぶこともできるが、私たちは「摂理」というもう一つの呼び方を持っている。
 「運命」と「摂理」ということばについて、最近読んだ本の中にこういう文章を見つけた。『牧師烈伝』の中の、渡辺暢雄先生を紹介している章である。
"渡辺さんは「運命」という人を突き離してしまうような、完全お手上げの諦念を招く言葉ではなく、神の計画の実在を示すこの「摂理」という言葉を、近年、頻繁に使っているという。"
(新井登美子『現代牧師烈伝』、p.147)
 確かに彼女のあの日あの場所は、「運命」で終わらずに、そこでイエスと出会うという神の計画へと導かれる「摂理」の場であった。

 シェークスピアは、「人生は舞台だ。」と言った。
 私たちもそれぞれ、自分の人生という舞台に立っている。そこで様々な「問題」や「運命」にぶつかり、そこに「摂理」を見出すのだ。
「人生は舞台だ。だれもが何かの役を演じなければならん。」
「神様が今日まで与えてくださった役は、何と素晴らしかったことか。」
(ドラマ『役者魂』最終回より。シェークスピア俳優を演じる藤田まことと松たか子のセリフ)
 「タイタニック」で"沈没する船に乗り合わせてしまった"というようなきわめて非日常的な状況を、「運命」や「摂理」を経験する場と捉えやすい。しかし、そうでない日常にも、私たちが今日も生きていること、だれも見ていなくても花が咲いていることに、神の摂理がある。最近読んだもう一冊の本の中に、このような文章を見つけた。
"花がどうして咲いているのかを悟って、その悟りの知恵で一輪を活けるということは、神の摂理を飾るといえよう。"
(橋敏夫『茶の湯の心で聖書を読めば』p.112)
 茶室に花一輪を活けるのは、神の摂理を飾ることなのだ。
 受難劇も、小さなひとりが生かされている、導かれている、捕らえられているという、見落としてしまいやすい「摂理」を、そっと飾るような舞台にできたら、と思った。

 
     


【晨光のページ】 目次

2008年9月14日週報より 晨光 「なつかしいキャンプ場、懐かしい歌 」(小野信一牧師)

2007年2月4日週報より 晨光  「問題」と「運命」と「摂理」  (小野信一牧師)

 

 

 

ELC英会話教室のページへはこちらから!